最適なランニングフォーム
前回に引き続きランニングフォームに関する投稿です。
前回は良いランニングフォームとは、体内で生み出したエネルギーを、最大限推進力に変えることのできるものと定義しました。
また、人間の身体はある程度決まった形をしているわけですから、良いランニングフォームの特徴はある程度限定されるであろうことも書きました。
ランニングフォームに関しては、その時代ごとに流行りがあると感じます。
ここ10年くらいで最も大きな流行りは、やはりフォアフット走法(つま先接地)だと思います。
以前は、短距離走中距離走はともかく、長距離走においてはヒールストライク(かかと接地)が主流であり、長距離走でフォアフットなど足がもたないと思っていた人が多いと思います。もちろん、大昔からフォアフットの長距離ランナーは大勢いましたが。
しかし、シリアスランナーからランニング愛好家まで多くの人に、フォアフットを知らしめた番組があります。
それが、ロンドン五輪前に放送された、NHKの「ミラクルボディ」です。
これの番組は、五輪前に定期的に放送されるもので、有力選手の強さの理由を科学的測定により明らかにする!と行った内容です。
その際、当時マラソン世界記録保持者のパトリック・マカウを中心に、ケニア人ランナー数人が取り上げられていました。(ケニア内の選考が熾烈すぎて、マカウは代表漏れするのですが。。)
その際強さの秘密のうちの一つとして取り上げられていたのは、ケニア出身のランナー達は、幼い頃から裸足で過ごしていた期間が長いことから、つま先接地の選手が多いという点でした。
それが強さの秘訣として、強烈な印象を日本中のランナーに植えつけました。
それ以来、様々なメディアや論文で、フォアフットに関して取り上げられるようになりました。
猫も杓子もつま先接地を取り入れるような時期が一定期間あったように思います。(私もそのうちの一人でした笑)
しかし一方で、そのような状況を批判する声もありました。
ケニア人と日本人では骨格が異なるため、つま先接地をすることに無理があるという意見が出てきます。
そのため、その個々人に合うフォームで走るべきであるという批判です。
私は概ねこの意見に賛成です。
そしてこのことこそが今回の主題である、
「最適なランニングフォーム」に関係する1ピースであります。
前回の記事で私は
良いランニングフォームと最適なランニングフォームは異なる
と書きました。
再三ブログに登場させてる良いランニングフォームと最適なランニングフォーム何が異なるのでしょうか?
それは、先ほども述べたような個別性が深く関わってきます。
冒頭に述べたこととは少し矛盾すると思われるかもしれませんが、各選手間で筋力や神経系の発達、骨格、筋肉のバランスなどが異なります。
一見似た体型であっても、どこかは必ず異なる箇所があるはずなのです。
仮に100点の「良いランニングフォーム」があるとします。
異なる体型をしているのにもかかわらず、果たして全ての人が、同じように「良いランニングフォーム」で走行できるのでしょうか?
それは流石に無理があるでしょう。
「良いランニングフォーム」で無理なく走れればそれが最も良いのでしょうが、やはりどこかで無理をして走ることになるでしょう。
形だけ真似をできたとしても、実際の力の発揮具合は異なるかもしれません。
かかと接地の選手を無理やりつま先接地に変えても、怪我のリスクが高まる可能性だってあります。
なので、私は「最適なランニングフォーム」とは、「個々人の怪我のリスクを最小限に保ちつつ、良いランニングフォームの特徴をできるだけ多く含むもの」であると考えています。
「良いランニングフォーム」というもの特徴の中で、自分に実現可能なものだけピックアップしていくことが、最も効率的に、安全に走ることに繋がるように思います。
憧れのランナーは個人個人あるとは思いますが、その走りを手に入れることが自身のパフォーマンスの向上の近道であるとは限りません。
自身の能力や、身体(あるいは発育)に合ったランニングフォームこそが、最適なのだと思います。
おそらくそれを大小の差はあれど、トップ選手は見つけられていると思います。
もちろん、「良いランニングフォーム」と「最適なランニングフォーム」が近い人ほど、競技力が高いと私は考えています。
陸上競技だけでなく、他の分野でも自分に合う「型」を見つけるというのは大切なことのようにも感じますね。
すぐ自己啓発本に影響されて、三日坊主を繰り返す人を見るといつも思います。
それでは本日はここまでです。
読み返すと少し散らかった印象で申し訳ないです。