毎日を充実させる日記

何気なく過ごしていた毎日から、ネタを探し出し、文章化することで、文章力の向上を狙いとしたブログ。

M1グランプリ決勝感想

今年のM1グランプリが終わってしまいました。

また来年のM1のために生きていく日々が始まります。

 

今年のM1は決勝前から全く結果が予想できない、本命なき大会だったと思います。

どのコンビもハネそうで、どのコンビもスベりそう。コンビごとにワクワクできる良い大会でした。

では1組目から感想をつらつらと書いていきます。

 

○1組目インディアンス(敗者復活)

まさかの1組目に敗者復活枠が来ました。盛り上がりには欠けるかもしれませんが、個人的には一度負けてることを考えると、これが公平であるとは思います。

敗者復活前は、準決勝のネタや人気を考えるとぺこぱが固いと思っていました。しかし、いざ敗者復活戦を見てみると、準決勝とは違うネタを持ってきていました。ウケはいまいち。ネタとしてもあまり強いものには感じませんでした。そんな中でゆにばーす、インディアンスはよくウケていたので納得の結果でした(個人的に1番笑ったのは、ケツがライオンになってる時に流れた夕焼け小焼け)。ゆにばーすは準決勝よりも良いネタだったと思います。

どんな場所でもしっかりウケるインディアンスは、一番手にぴったりだったと思います。期待通り、トップにしては上々のウケ方。インディアンスらしいネタですが、きむの言い間違いをいじるネタは個人的にはあまり好きではありません。言い間違いをフォローしてる風で、実はしっかり台本だという事実に、私はどうしても冷めてしまいます。コントだと気にならないとは思うのですが、彼らのような人柄を出すような漫才では嘘っぽさを感じさせるのはマイナスのように感じます。2人ともキャラとして十分面白いし、言い間違い以外の部分も抜群に面白いと思います。

点数はトップバッターで様子を見られたんでしょうね。後半ならもう10〜20点は高かったと思うのですが。

 

○2組目東京ホテイソン

コンビ歴5年目で、今回最年少の彼ら。備中神楽風のツッコミで数年前から注目されていましたが、決勝進出の壁には何度もぶつかっていました。個人的には今年のネタがこれまでと比較して突出しているかというとそういうわけではないように感じました。決勝進出は本当にタイミングの問題だったのでしょう。

決勝で披露したネタは準決勝同様、「なぞなぞ」。作りとしてはシンプルなものですが、やはりたけるのツッコミで一気に勢いのあるネタに感じます。会場もよく受けていましたが、点数は伸びず。。決勝戦では最下位の点数でした。1番手のインディアンスが出来もよく、トップバッターにぴったりのネタだったこともあったのかもしれません。

巨人が審査コメントで、ボケのなぞなぞを客が考えて答えが出る前に展開が進むので、着いていきにくいと言っていました。これに関しては賛否あると思いますが、私も共感できる部分があります。もちろん、ネタの作り上客がなぞなぞを解く必要性は全くないです。何にも考えずに聞いてても、しっかり笑えるネタに仕上がってます。しかし、どうしてもなぞなぞを考えようと頭を動かす客はいてもおかしくありません。その場合そっちに頭を使ってる分、ネタの展開に置いていかれることもあることでしょう。本人たちが反省会で「回文のネタをすればよかったかもしれない」と分析していましたが、何も考えずに笑いに集中できるという点を考えると、その通りかもしれません。

まだまだ若い彼らですので、さらなる進化を遂げて帰ってくるでしょう。

 

○3組目ニューヨーク

去年決勝最下位からの、2年連続決勝進出のコンビ。去年は彼ららしい毒があまり見られないネタでしたが、今年はまさにニューヨークといった毒満載のネタでした。特に今年のネタは、嶋佐がめちゃくちゃなことをして屋敷が注意するという構造上、どれだけ際どいことをしても問題ありませんでした。そのため彼らの特有のブラックな部分をうまく散りばめられてました。

準決勝でも大受けのネタでしたが、途中の犬のウンコを食べた件りは、準決勝ではチョウチョを握り潰して募金箱にいれるというものでしたがら変更してました。本人たち曰く、準決勝で客が若干引いてたので変えたとのこと。私はめっちゃ笑ってましたが、言われてみればたしかにあの部分だけ少し客が引いてたような気もします。

また、準決勝では屋敷が「そういう軽犯罪みんなやってるけど、普通言わんねん」というようなことを言ってましたが、決勝では「みんなやってる」という部分は嶋佐に言わせてました。私も準決勝で見た時は炎上が心配になった部分でしたので、地上波に配慮したのでしょう。こんなことに気を遣わないといけないのもめんどくさい時代だなとも思いますが。。

他にもマイナーチェンジはいくつかありましたが、一つ気になった部分は、あれだけ無茶苦茶していた嶋佐がちゃんと投票や募金をしていたところ。準決勝では、NHKの受信料も払ってるという部分もありました。おそらくテレビ仕様だったのでしょうが、気になったのは変更ではなく削除だった点です。この代わりに何か別の善行を入れたわけではなかったので、悪いこととのバランスが悪くなったような気がします。善行と悪行を繰り返すあの部分は準決勝ではもっと受けていた印象でしたので、そのアンバランスさが少し影響したのかと個人的には勝手に思ってます。

とはいえ、今年のネタはもう少し出順が後半であればもっと点数が伸びてたと思うので、ニューヨークはこの路線で毒満載で突き進んで欲しいと思います。個人的には今大会トップ3に入るくらい好きなネタです。

 

 

とりあえず3組目まで書きました。

残りは年始休みが終わるまでには書きたいですが、多分書きません。

 

 

M1グランプリ準決勝感想(Dブロック)

もう気づけば決勝の日になりました。

最後のブロックの感想です。

 

○学天即

今年ラストイヤー、久しぶりの準決勝進出。近年は少し低迷していたが、最後の最後にやってきました。ネタ内容は良くも悪くも学天即らしいネタという印象。既視感のあるワードや件がいくつかあり、ベストアルバム的なネタに感じた。また、奥田が緊張していたのが若干伝わってきて、間が変な部分も所々あった。

ザマンザイ決勝にも行ったことがある実力のあるコンビだっただけに、M1の決勝でも一度見たかった。

 

○ダイタク

数ある双子コンビの中でも、準決勝でも何度か顔を見る彼ら。ネタはよく練られた計算された綺麗な構成が多く、とても器用な印象がある。今回も彼ららしいネタで、受けもそれなりにあったが、例年と比べてそこまで大きくレベルアップした印象はなかった。それだけ常に面白いということなのだが、決勝進出にはもう一皮剥ける必要があるのかもしれない。まだ3年チャンスがあるので、その中では決勝に行きそうだと個人的に思う。

 

○見取り図

3年連続の決勝進出コンビ。最近では貫禄すら感じる彼らだが、今年も安定したウケ量で感心させられる。盛山は本当に声が良い。知名度が高まったのも相まって、何を言っても面白いような雰囲気を纏っている。若干今年は、これまでと比べてサプライズ感は薄いネタだったかと個人的には感じた。見慣れられて損するタイプではないので、決勝ではあまり影響はないとは思うが。

 

○ぺこぱ

今年あれだけ売れても、さらに参加するチャレンジャー。そしてここまでしっかり残り、去年の結果がしっかり実力が伴ったものだと証明してみせた。ネタ自体も、自分たちのネタが浸透したことを逆に利用して、フリとして利用したもので器用さを感じた。当たり前だが、今年もしっかり決勝を本気で狙ってるのが感じられる。知名度や人気、ネタの内容など考えても、敗者復活の第一候補と言えるだろう。

 

滝音

今年KOC決勝に進出した彼ら。本職の漫才でも勢いに乗って決勝進出。とにかくオリジナルワードのパワーで戦うスタイル。これにハマるかどうかで少し評価が分かれると思う(私はめちゃくちゃ好きです)。今年はもちろんウケていたのだが、ワードがあまりハマってない印象を受けた。初見から何度目かが1番面白いタイプのネタだと思うので、さらに強いネタができれば、決勝初進出からの優勝まで狙えるポテンシャルは秘めていると思う。

 

○ニューヨーク

長年期待されていた彼らだが、近年やっと評価され始めてきた。そんな中で今年も貫禄さえ感じる安定感のあるネタで決勝進出。去年の歌ネタとは打って変わって、彼ら特有の毒がふんだんに散りばめられた良いネタだった。炎上が少し怖くなるような内容ではあるが、文句ないくらいウケれば問題ないはずだ。個人的に毒があるネタが大好きなので贔屓目もあるが、最終決戦もあり得るネタだと感じる。

 

○錦鯉

今年の決勝進出組で1番の爆弾。今年のネタも彼ららしいネタであった。が、この準決勝のネタはこれまで見たどのネタよりも強いものだったと思う。準決勝を見た人なら誰も文句がないはず。完全に客の心を掴んでいた。ギャグをする件が何度かあるのだが、もう観客がそのギャグを待っている状態を作り出していた。M1決勝進出史上最年長コンビの苦労人なので、決勝ではハネてほしい。ハマれば最終決戦は余裕とさえ思えるほどの爆発力があるので楽しみだ。

 

 

 

準決勝見た後の決勝進出は以下の通りで、6組当たりました。

f:id:DogAtom:20201220030207j:image

金属バットはあがってもおかしくないウケ量だったと思ったのですが、内容がブラックだったんでしょうか。。。

とはいえ、正解したオズワルド、ニューヨーク、おいでやす、アキナ、錦鯉、マヂラブは見た人なら真っ先にあげるレベルだったので、かなり妥当な選考だったと思います。

決勝の予想は

1位オズワルド

2位錦鯉

3位おいでやす

敗者復活:ぺこぱ

にしときます。オズワルドは本当に近年力つけてるので、最終には残ると思いたい。。!決勝のキラキラした舞台で、ゆったりしたスタイルが通用するのか!?というところでしょうか。

錦鯉は準決勝の再現ができれば、あと出順が最後の方なら、あのバカバカしさでバカ受けする気がする。というかしてほしい。。

おいでやすはどんな状態でもしっかりウケるフォーマットで、小田のツッコミがかなりうまいので割と最終決戦進出はあると踏んでます。

こうして見てみてると、当たらない気しかしませんね。でも今年はかなり実力が拮抗してるような気がします。去年のかまいたち、和牛(敗者復活)のように、最終決戦はかたいと思わせるコンビは1組もいない気がします。良い意味で力が拮抗していて、なおかつ多彩な面子なので、本当に当日の出順と会場の空気が優勝者を選ぶのかもしれません。

今年はどんなドラマが見られるのでしょうか。楽しみすぎです。

 

M1グランプリ準決勝感想(Cブロック)

前回に引き続き、ライブビューイングで見たCブロックの感想です。

 

○おいでやすこが

新M1になってから初のユニットコンビが準決勝進出、そして初の決勝進出コンビ。本職の大会がなくなった2人の魂がこもったつかみで、一瞬で会場を味方につけた。しかしネタは温情ではなく、しっかり実力でウケていた。こがの器用さに、おいでやすの意外にうまいツッコミ。ハマると問答無用で笑える。幅広くウケるタイプのネタなので、決勝でも一定以上のウケは固いと思う。出順次第では最終決戦も見込めるかも。おいでやすが怒鳴るタイプのツッコミなので、会場の熱量と乖離した時が心配だが多分大丈夫。

ここからCブロックは一気に客が暖まったと思う。

 

○オズワルド

去年の決勝ではミルクボーイの後の出順だったため、世間への印象が薄かった彼ら。しかし、あの決勝以来どの舞台でも爆笑をとってる姿ばかり見る。以前からどのネタもおもしろかったが、とにかく決勝進出後見るどのネタも強い。今年の準決勝も、勢いではなく真正面から実力で笑いをもぎ取ったように感じた。とにかく細かい部分のテクニックが多彩で、どれも面白い。あとは出順に恵まれれば、確実に結果を残してくる安心感がある。個人的には今年1番注目している。

 

ロングコートダディ

今年はKOC決勝進出した彼ら。直前の舞台出番では少しウケ量に不安があったが、準決勝ではしっかりと調整してきた。しかし、少し一辺倒なネタだったのでもうひと裏切りあれば、、というのが終盤ウケ量からも感じ取れた。発想力やワードセンスはピカイチのコンビなので、今後にも期待。

 

○インディアンス

とにかく楽しい漫才。尖ったお笑いファンも、無理矢理力技で正面から笑かしていく姿勢はかっこいい。今年もウケ量にだけで言えば決勝進出しても全くおかしくなかった。これだけ去年からメディア露出をしても、これだけお笑いファンにもウケるのだから、近い未来決勝に返り咲くだろう。

 

東京ホテイソン

コンビ歴5年だが、準決勝は常連のコンビ。いつ決勝に行ってもおかしくなかったが、ついに彼岸の進出。今年のネタも独特なツッコミを武器にした彼ららしいもの。個人的には例年と比べてクオリティに大きな差は感じなかった。それだけ早くからクオリティの高いネタを量産していたと思うので、決勝進出もタイミングの問題だったのかもしれない。一つだけ気になったのは、ショーゴがネタ中のキャラ(話し方)の割にガタイが良すぎる気がする。肩広すぎ。

 

コウテイ

今年のABCチャンピオン。早くから注目されていたが、年々着実に力をつけてきているように感じる。直前の漫才出番でも抜群にウケており、準決勝当日も同様のウケ量だったと思う。最近は下田がツッコミのネタもよく見るようになり、このネタも後半はボケツッコミが入れ替わっていた。スタイルを貫きつつも、試行錯誤しているのがよく伝わる。破天荒なようで、涙脆くて、人間らしいところにも魅力があり、応援したくなるコンビである。

 

Cブロックからは3名が決勝進出。

やはり衝撃はおいでやすこがですね。ユニットコンビですが、ネタはかなりしっかりしてます。R1の悔しさをぶつけて欲しいです。

M1のグランプリ準決勝感想(Bブロック)

前回に引き続き、ライブビューイングで見たM1準決勝の感想です。今回はBブロック。

 

祇園

いつもは木崎のキャラを全面に出したネタが多い印象だったが、今回はキャラは封印したネタ。準決勝の扉をこじ開けただけあって、台本がしっかりしたネタだった。やや熱量に会場のウケがついてきてなかった印象。良い発想のネタで、幅広く他のネタにも応用できそうなので、これ以外にも見てみたい。

 

マヂカルラブリー

2017年M1ファイナリスト、2018年KOCファイナリストの彼ら。近年は準決勝までは危なげなく通ってる印象。特に今年のネタは単純かつ力強いネタだった。会場の空気にもハマっていたようで、よくウケていた。2017のネタよりは決勝の舞台でもウケてるイメージが湧きやすいが、その場の空気で全く予想もつかない結果になるのがM1の怖いところ。とりあえずジョーカーとの絡みは楽しみ。

 

からし蓮根

去年のM1ファイナリスト。彼らのネタも、着前の劇場出番で見たが、その際にもタイムキーパーに劣らないウケ具合だった。準決勝当日も手堅くウケており、通ってもおかしくないウケ量だった。昨年も今年も、強い型があるわけではなく、単純にどのネタも強いからすごい。またすぐに決勝に返り咲くのは確実だろう。

 

○カベポスター

昨年のABC決勝で披露したネタだった。個人的には彼らの中で1番好きなネタで、さらにパワーアップしていたので嬉しかった。しかし、準決勝に来るような客層は、見たことがある人がほとんどだったのか、ウケ量はかなり少なかった。独特な空気感がクセになるコンビなので、今後も期待したい。

 

○ゆにばーす

M1の申し子。今回も川瀬の緊張がよく伝わった。良くも悪くもゆにばーすらしいネタで、安心してみてられる。が、知名度が高い分、期待値も高い。今の既視感あるゆにばーすから、もう一皮剥けられたら。。と勝手に期待してしまう。

 

○キュウ

待望の準決勝進出。めっちゃええやんの時に行ってて欲しかった。ゆったりした会話のネタであり、ニヤリと笑ってしまうネタ。が故に、ウケ量はかなり物足りなく感じた。キュウは、間をたっぷり使った予想外のツッコミがクセになるネタが多い。今回はその期待値を超えるほどの裏切りがなかったように感じる。いつか強い一本を引っ提げて、決勝最終決戦でめっちゃええやんをしてほしい。

 

○アキナ

Bブロック2組目の決勝進出コンビ。女性人気が高いが故に、一部の気持ち悪いお笑いファンに不当に叩かれることもある彼らだが、少なくとも今年はバッチリウケ量で決勝進出。直前の劇場出番でも、似たタイプのネタをしており、そちらもかなりウケていた。2016に決勝進出した際は、ゆったりしたネタだったが、今年は一風に変わっている。会場の雰囲気次第では、ハマってもおかしくないので期待。

 

以上がBブロックの感想です。この辺りから、全体的に会場もあったまってきました。一度換気の休憩もありました。

残りは次回に書きます。

M1グランプリ準決勝感想(Aブロック)

めっちゃ久しぶりの投稿です。

先週M1グランプリの準決勝ライブビューイングを見に行ったので、その感想をつらつらと書いていきます。

ウケ具合は映像に入ってる笑い声と、映画館のウケを参考にして書いてます。

 

Aブロック

○ラランド

ワイルドカードから勝ち上がったコンビ。売れっ子だけあって安定はしていたが、やはりトップバッターだけあって終始ウケが弱かった。ネタの大部分を占める歌の部分があまりハマってなかった印象。しかし、準々決勝のネタはめっちゃ面白かったので来年以降に期待大。

 

○タイムキーパー

おそらく準決勝のメンバーの中で一番無名のコンビ。この直前の漫才劇場で生のネタをはじめて見たが、ほかの準決勝メンバーも多数いたその回で最も会場を揺らしていたのでかなり期待していた。準決勝でもしっかりウケていたが、劇場版の時ほどの爆発的なウケ方はしていなかった。どちらかと言えば、グルーブ感の強い、受ければ受けるほど連鎖的に受ける盛り上がりがあるネタなので、ハマりきらなかったのかもしれない。しかし結成2年目でこの出来はすごい。型があるわけでもないので、今後の伸び代もまだまだあると思う。

 

○金属バット

ここ数年で露出が増えた彼らだが、ネタの精度が落ちることはない。むしろここ数年で1番いいネタだったように感じるし、ウケも同ブロックのウエストランドと遜色なかったと思う。内容が彼ららしいブラックな部分が少しあったのが悪かったのだろうか。熱狂的ファンが多いので、敗者復活ではぺこぱと票を争いそうだ。

 

ウエストランド

Aブロック唯一の決勝進出者。ネタは以前もM1予選で見たものだったが、内容はアップグレードされていたものだった。ウエストランドらしさ全開の、井口がひたすら不平不満を垂れ流すネタだが、河野も要所要所でいい味を出しており、その変更点が軒並みウケていた。決勝の煌びやかな舞台での、井口の復讐が楽しみだ。

 

ニッポンの社長

準決勝常連、今年はキングオブコント決勝進出し、勢いはバッチリ。彼ららしい、一つのアイデアを膨らませるネタ。彼らのネタも直前に劇場で見たが、その時よりも間やキレが良かったように感じた。しっかりウケていたが、爆発的なウケには少し足りない印象。彼らのネタはいつも安定して面白いが、爆発的な笑いにはもうひと展開欲しい気がする。まだ若いので、必ず決勝には進むと思うので楽しみにしている。

 

○ランジャタイ

個人的に彼らのネタは分からない。何度か理解しようとネタを見漁ってた時期もあったが、難しかった。今回のネタはそんな私でさえ楽しめた分かりやすいネタだった。しかし、一般層に届くにはまだ遠い印象。肩を崩してまでわざわざ寄せる必要はないが、彼ららしさと分かりやすさのバランス調整がうまくいくと、さらに大きな笑いに繋がると思う。

 

このブロックからはウエストランドのみ決勝進出となりました。個人的には金属バットもいったかと思いました。

Aブロックはやはり、まだ会場が暖まりきってないような印象でしたが、ウエストランドはバッチリ拍手笑いももらってましたので、納得の決勝進出でした。

 

 

M-1グランプリ2019感想その3

正月も明けました。

残りの3組の感想をつらつらと書いていきます。

 

8組目オズワルド

ミルクボーイ大爆発の後、非常にやりにくい空気での出順。笑神籤からはオズワルドのくじが出ました。

ミルクボーイの爆発の後の観客に対しては、ゆったりとしたしゃべくり漫才の彼らのネタは、一気に空気を変えるのは難しかったようでした。しかし、ネタが進むごとに少しずつ観客から笑いを引き出していくオズワルド。中盤あたりからは拍手笑いも混じり始め、最終的には十分なウケ量で終わりました。ミルクボーイの大爆発の後に、ゆったりとしたしゃべくり漫才で最終的にしっかり自分たちの空気に戻したのは、実力がある証拠。一つ一つのボケもさることながら、ツッコミ伊藤の「間」が非常に良い。結成5年目ながら完成度の高いネタでしたが、なにぶん空気がミルクに白く染められすぎていましたね。。

「昨日いたかどうかだろ」

の部分なんてもっとウケてもよさそうなんですが。。。やはり出順による空気の変化も、M-1の難しい部分ですね。そこも面白い部分でもあるのですが。。

 

9組目インディアンス

残り2組となった終盤、賑やかで手数の多い漫才のインディアンスの出番となりました。田渕がひたすらボケ倒すスタイルで、どこでも一定以上のウケ量を保証する彼ら。からし蓮根と同じく個人的に期待していたコンビでした。

いつも通りネタ開始から、しっかり会場の笑いを積み重ねていきます。しかし、少し間がおかしい部分がありました。実は事後番組で判明することなのですが、田渕がネタを飛ばしていたようです。そのため入れておくべきボケを入れられておらず、本人達の想定したウケは確保できなかったようです。とはいえそんな中でも、まさかネタを飛ばしたとは思わせない出来で持ち堪えた彼らの底力には拍手。

しかしながら、点数はウケ量ほどは伸びきりませんでした。その一因として、前のミルクボーイやオズワルドが手数よりも一発一発でしっかり笑いをとるスタイルだったために、手数で押すインディアンスの笑いはインパクト不足のように評価されたのかもしれません。安定した実力のある彼らですが、一つのボケの爆発力が伴えば、今後またもう一化するかもしれません。

 

10組目ぺこぱ

今年のイロモノ2組目。と見せかけて、こちらもしっかりとした実力派コンビ。しゅうぺいの軽いボケを、全て肯定するツッコミの松陰寺。分かりやすいボケの後に、ツッコミがくるだろうという思い込みを裏切る、ノリツッコまないボケ(松本命名)。実際にはこの漫才にはツッコミはいないとも言えます。もしくは、観客一人一人がツッコミという、ピン芸やシュールなコント、漫才にありがちなツッコミ不在のネタ。ですが、ぺこぱの漫才からはシュールな印象はなく、ポップな印象を強く受けます。これは松陰寺の前向きでどこか憎めないキャラクターがなせる作る空気なのでしょう。人を傷つけない笑いが好まれる昨今では、大衆受けするであろうネタといえるでしょう。個人的には毒や偏見の強いネタは大好きですが。

そんなネタを引っ提げて、ラストに現れたぺこぱ。序盤は会場から松陰寺に対して少し壁があったように感じました。自己紹介から本ネタに入っても、一つ目のツッコミの時点では観客も困惑した笑いという印象。しかし、2つ目から観客が見方を理解してからは、エンジンがかかったように受け始めました。正面が変わったところで、完全に会場の空気を支配しました。実力者和牛をぺこぱがファイナルから押し出すなんて、大会前誰も思いもやらなかったでしょう。これがM-1ドラマチックで面白いところですね。

最終決戦では、ファーストに続けてぺこぱがネタをしたこともあってか、観客はウェルカム状態。彼らの見方もバッチリの空気で、はなから大ウケでした。おそらく、ファーストよりもファイナルの方がウケ量が多かったのはぺこぱだけじゃないでしょうか?トムブラウンのように、見方を理解してから見たほうが笑えるネタだったことも関係していると思います。

 

以上で全組の感想でした。今回ももたくさんの見所やドラマがありました。次の大会にも、最新の笑いを見せてくれるのを期待して2020年生きていきます。

 

M-1グランプリ2019感想その2

明けましておめでとうございます。

年内には書きたかったんですが、無理でした。

前回は出順3番目の和牛まで感想をつらつらと偉そうに書かせてもらいました。

今回はその続きから。

 

4組目すゑひろがりず

決勝では見た目だけで言えば最もイロモノなコンビ。他のネタ番組ではちょこちょこ出ていましたが、まさかM-1決勝で姿を拝めるとは。。。本人達もですが、彼らを決勝にあげた運営にも拍手!

ネタの内容の方は、合コンネタとオーソドックス。しかし、狂言の様な古風な言い回しのワードセンスによって、彼らにしか出せない面白さを実現しています。今回ネタを見て気づいたのは、ツッコミの南條が以前よりも素に近い様な、古風さが弱めの話し方が多くなったことです(序盤の「コンパ、コンパ。コンパじゃよ」の部分など) 。はじめは、終始古風な話し方に徹した方が良いのではないかと思っていました。が、いざ合コンのコントインした際、話し方の古風さ加減を強めにしていました。声を張りめにしたことも相まって、コントの部分がしっかり際立って見やすい印象を受けました。イロモノに見られがちな彼らですが、こういう細かなテクニックや、一つ一つのワードセンスから、やはりかなりの実力者であることが伺えました。

後に別番組で知ったのですが、彼らは共に伝統芸能の経験はなく、芸風を試行錯誤してる時にyoutubeで勉強をしてキャラ作りをしたそうです。かなり勇気のいる決断でしたでしょうし、努力量もかなりのものだったことでしょう。そんな彼らが、決勝の晴れ舞台に来れたのは本当に良かったですね。

 

 

5組目からし蓮根

前半組ラストは、ytv漫才新人賞優勝で今波にのってる若手漫才師の彼ら。ytvの決勝では、かなりの大ウケで圧巻の優勝でした。王道漫才ですし、どんな舞台でもしっかりウケを残す彼らなので、今大会は個人的にかなり期待していました。

ネタはytvでも披露した「教習所」。かなりワクワクしたのですが、点数は伸び悩んでしまいました。一つ要因としては、オチはかなりの爆発をしていましたが、その他の部分ではそこまでの爆発がなかったように感じました。

ytvの際は、他の部分でもオチに負けないくらいの笑いが随所で起こっていました。彼らのスタイルは、技術が顕著に反映される王道のストロングスタイルです。そんなスタイルで、この若さで決勝までくる彼らの技術は異常ではあるのですが、和牛やかまいたちなどの実力者の後では少し分が悪かったのでしょうか。。出順としても、歌ネタ→かまいたち和牛→狂言、でしたので、実質この大会で新顔の王道漫才1組目というのは少しやりにくかったのかもしれません。

とにもかくにも、まだまだ若いですし、スタイル的にもこれからドンドン面白くなるコンビだと思います。これからも決勝を盛り上げてくれることは間違い無いでしょう!

 

6組目見取り図

2度目の決勝進出の見取り図。去年はあたおか、マルコ牧師で、トップバッターながら印象に残った人も多いのではないでしょうか。

ネタの方は去年とは少し変わって、しゃべくり漫才。互いに良いところを紹介する、という導入から次第に腐し合うという展開。2018でも盛山を「豚まん」と腐す部分がありましたが、個人的に盛山はガッシリした兄ちゃんという印象で、あまりおデブなイメージはなかったのでしっくりきませんでした。しかし、今回の腐し合戦は、どれもしっくりきて、なおかつワードセンス溢れる新鮮味のあるものでした。ほぼ羅列してるだけのネタ構成ですが、しっかり尻上がりに受けるのは腕がある証拠。これまでの見取り図の良さも残しつつ、しっかりアップグレードされたネタだったと思います。

噛んだ箇所も、爆竹によって乗り切ったのは流石。しかし、何度かあのフォローは見たことあるのですが、今回のフォローは若干、本当に一瞬だけ遅かったように感じました。いつもはもっと素早いフォローをしていて、今回以上に爆発的にウケる部分です。とはいえ、決勝の舞台での予期せぬミスの中で、しっかりフォローして受け切るのは、これまでの膨大な舞台経験がなせる技。次もまた、面白いネタを持ってきてくれることでしょう。

にしても、盛山の声は本当にいい声ですね。何を言っても面白く聞こえてしまう。今大会1位の声ではないでしょうか(2位はミルクボーイ内海)。

 

7組目ミルクボーイ

今大会優勝者、そして歴代最高得点のミルクボーイ。ずっと同じスタイルを続けていましたが、やっと評価されました。しかし、よく見てみると世間の目が変わっただけでなく、しっかりネタの方もブラッシュアップされていることが分かります。

いったりきたり漫才、と松本は評していましたが、駒場の母が思い出せない朝ごはんを、内海がコーンフレークかどうかを判別し続けるという構成。言ってしまえばあるあるの羅列なのですが、まず駒場が持ってくる視点がちょうどベタすぎず、かつ共感できるライン(まず題材が「コーンフレーク」というのも良いラインですね)。そしてそれに対する内海の返しも、良い塩梅に偏見と毒を混ぜていて、もう一度笑える。そして、この内海のパートの進化が、今回の優勝に繋がったように感じています。

例えば以下のパート。

 

駒場「おかんが言うにはジャンルで言うたら中華らしいねん」

内海「ほなコーンフレークちゃうやないか。

①ジャンル全くわからんけど、中華だけではないねん。

②回るテーブルの上コーンフレークおいたら、回したら全部飛び散るよ   」

 

①の時点では、ここにくるまでにかなりウケてるので、そこそこ笑いは起きてるのですが、そこまで笑いは大きくありません。②の回転テーブルで大きな笑いが起きます。他の部分を見てみます。

 

駒場「パフェとかのかさ増しに使われてるらしいねん」

内海「ほなコーンフレークやないか。

❶あれ法律スレスレくらい入っとんやから

❷店側がもう一段増やそうもんなら、俺は動くよ  」

 

ここの部分は駒場の投げかけの時点で笑いが起こります。更に❶、❷と笑いが増幅していきます。

ここから分かるように、彼らのボケは、駒場の時点で(あるあるの強度が高いことにより)既に笑いがおきるパターンと、内海の返しによって笑いがおきるパターンの2つがあります。駒場パートのみで笑いを起こして内海パートで更に増幅させるか、内海パートで笑いを起こし増幅させるかのどちらかということですね。内海パートの方が、笑いを継続、増幅させるために重要度は高いと考えられます。そして、実はこれまでのミルクボーイのネタは、回転テーブルパートの①のような、駒場のパスを復唱するだけの部分が長かったように感じます。ここはあまり笑いは起きませんし、起きても大きな笑いにはなりにくい部分です。しかし、最近のネタはどれも②のようなワードセンスや偏見を交えた部分に多くの時間を割いているように見えます。その結果、かさ増しの❶や❷のように、内海の一言一言で無駄なく詰まった笑いを取っていけるようになりました。

これまで笑いに全力でむかえてなかった彼らが、この1年は先輩の誘いも断って、バイトや舞台以外は全てネタ合わせに費やしたそうです。そんな彼らの努力はしっかりとネタの完成度に表れ、決勝の舞台で花を咲かせました。これからも、コーンフレーク、最中を超えるネタを量産してくれることでしょう。さらなる新フォーマット!?も生み出してくれる期待を密かに持っています。

 

今回は4組で一旦終了しておきます。

次回最終回で、残りの3組の感想を書きます。